タコスのチョコってなんや?
昨年末、私の心は曇り模様でした。
難航する家探し、シェアハウスの弱すぎる水圧、そして壊れた給湯器……。
メキシコの不自由さに、心身ともに疲れ果てていたある日、一人の「おっちゃん」がくれた不思議な食べ物が、私の沈んだ気持ちをパッと晴らしてくれたのです。
20リットルの「心の重さ」
足取り重いな
12月。相変わらず住まいのインフラは最悪で、ストレスはピークに達していました。
「あぁ、もう嫌だ……」
そんな気分を変えようと外に出たものの、向かった先は飲料水の補充所。
20リットルの空タンクを抱えて歩きながら、私は「何をするのも面倒だ」と、自分自身の心の重さにため息をついていました。


おっちゃんからのサプライズ!石鹸……じゃなくてアイス!?
なんかくれたぞ?
水を補充するため、併設のアイスクリーム屋さんのレジで12ペソを支払い、順番を待っていた時のこと。
店の奥から出てきたおっちゃんが、「Feliz año nuevo(良いお年を)!」と笑顔で、銀紙に包まれた「何か」を差し出してくれたのです。
「貰えるものは貰っとけ精神」でありがたく頂戴しましたが、正直、頭が回っていなかった私はその形から「大きめの石鹸かな?」と思っていました。


ところが、一緒に順番待ちをしていた人に聞くと、
「それは『チョコタコ(Choco Taco)』、アイスクリームだよ」との答え。


開けてみるとそこには、タコスの形をしたバニラアイスが!
サクサク生地にピーナッツの効いたチョコ……どこか懐かしい駄菓子のような味わいが、口いっぱいに広がりました。
複雑な悩みも、優しさ一つで解けていく
いいことあったなぁ
水を汲み終わる頃には、あんなに重かった心が嘘のように軽くなっていました。
予期せぬプレゼントと、初めてのチョコタコの美味しさ。それだけで、抱えていたストレスなんてどこかへ飛んでいってしまったのです。
おっちゃんに精一杯の「Gracias!」を伝え、私は再び20リットルのタンクを抱えました。
中身が詰まって物理的には重くなったはずなのに、帰り道の足取りは不思議なほど軽やかでした。
人生の悩みは複雑だけれど、救われる瞬間というのは、意外とこんなにシンプルで、温かいものなんですね。








