FIFAワールドカップ開催中のメキシコでの仕事について。勤務時間と試合が激突した現地の事情

仕事なんかやってられない

カナダ、アメリカ、メキシコの3カ国で熱戦が繰り広げられたFIFAワールドカップ2026。自国開催ということもあり、国中がこれまでにない熱狂に包まれました。
しかし、ここで一つ大きな問題が発生します。それは「試合と勤務時間が丸被りする」ということ。サッカーに燃える国メキシコで、W杯期間中にいかに仕事と向き合う(あるいは諦める)か、現地のリアルな事情をお届けします。

目次

会社の様々な対応

会社全体で一緒に観戦

今回のW杯は自国開催のため時差がなく、メキシコ代表の試合は真っ昼間の就業時間と完全にかぶってしまいました。特に膨大な数の従業員を抱える工場などの企業では、どうにかして出社してもらい、業務を維持しなければなりません。

そこで各社が取った解決策は、なんと「試合時間中は製造ラインを完全に止め、社員全員で観戦する」というものでした。手厚い会社になると、大型スクリーンを備えた特設会場を用意し、昼食や応援グッズまで配るほどの徹底ぶりです。

日本では考えられない対応ですが、ここまで手厚く提供しなければ、従業員がこぞって有給休暇を取得して会社を全休するか、作業中にコソコソとスマホで観戦して事故を起こすリスクがあるからです。国民的イベントへの情熱を力づくで抑え込むことは不可能なため、会社側も知恵を絞って割り切る姿勢を見せていました。

W杯で苦しめられた日本人たち

セントロの特設会場

予測不能なW杯シフト、、、

①商談の予定が強制変更

メキシコ代表の第2戦があった日、メーカーの担当者と一緒にお客さんの元を訪問する予定を立てていました。試合終了後の時間帯を設定していたものの、「勝っても負けても仕事になる状態ではないだろう」と判断し、泣く泣く日程を変更することに。「勝ったらノリノリで注文をくれるかもしれない」と期待を膨らませていた分、予定をずらさざるを得ない展開には頭を抱えました。

②:病院の予約をすっかり忘れられる

ある日本人が病院の診察予約を入れていた時間が、ちょうど試合の真っ最中でした。事前にキャンセルの連絡もなかったため受診先へ向かったものの、病院の扉は閉まったまま。結局、試合が終わった1時間後にようやく診察が始まりました。理由を聞くと、医師から「試合に夢中で予約を完全に忘れていたよ!」と満面の笑顔で返されたそうです。


仕事の効率や規律を優先する日本での働き方とは対照的に、「どうせならみんなで楽しもう」というメキシコの人々の割り切り方には、根底から概念を覆されるようなインパクトがありました。文化の違いに振り回されつつも、国全体でイベントを楽しむエネルギーを間近で体感できた貴重な期間となりました。

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