こっち向いて~!!
「おーい!」と声をかける。
そんなシンプルな行為にも、国が変われば驚くほどの違いがあります。
メキシコの空に響き渡る高らかな口笛、そして動物かのような独特の叫び声……。
今回は、日本人の常識を心地よく裏切ってくれる、メキシコ流の「遠くの人を呼ぶ方法」をご紹介します!
騒音を切り裂く「口笛」のサイン
未知なる世界すぎる、、、
メキシコで生活していると、不意に耳をつんざくような甲高い口笛が聞こえてくることがあります。
それは決して何かの合図や悪戯ではなく、誰かがあなたを呼んでいる、あるいは注意を引こうとしている純粋な合図かもしれません。
最初は「何かの喧嘩でも始まるのか……?」と身構え、恐怖を感じたこともありました。
しかし、実はこれ、機械の稼働音が激しい工場内や、音楽が鳴り響く人混みにおいては極めて理にかなった、実用的な手段なのです。
肉声よりも遥かに通りやすく、遠くまで届くその音色を、彼らはごく自然に、そして時には親愛の情を込めて仲間同士で使い合っています。
私の中学時代、授業中に口笛を吹いた犯人を巡って、クラス全員が居残りになるという「口笛事件」がありました。当時の教育現場では「人に向ける口笛=不真面目、あるいは禁じられた侮辱行為」と脳に深く刻まれていました。
メキシコの製造現場で上司が部下を、あるいは職人同士が口笛で呼び合う光景を目にした時、私のこれまでの常識は音を立てて崩れ去ったのです。
まさにカルチャーショックそのものでした。
密林の叫び?「独特な掛け声」のパワー
アヤヤトゥヤー!
次に多いのが、まるで密林の奥深くから聞こえてくる生き物のような、独特な叫び声を上げるパターンです。
「アヤヤトゥヤー!」(と聞こえる何か)
初めて現場でこれを聞いた時は、自分の耳を疑いました。「誰かパニックに陥っているのか?」と。
しかし、これもまたメキシコ流の「気づかせたもん勝ち」というコミュニケーションの一種。
何十台もの機械が唸りを上げる騒がしい環境下で、個人の名前を呼んでも声はかき消されてしまいます。
そこで、この「魂の咆哮」の出番です。名前よりもはるかに強いインパクトで相手の意識をこちらへ向けさせる、非常に効率的な伝達手段なのです。


もちろん、落ち着いた日常生活やオフィスでは、優しく名前で呼んでくれます。
もしあなたが、現場で口笛や叫び声で呼ばれ続けているのであれば、それはまだ名前を覚えられていない段階か、あるいは逆に「叫んで呼びたいほど、懐の深い親しい仲間」として認められた証拠かもしれません。
まずは元気な挨拶と自己紹介から。
メキシコの賑やかな音色の中に自分の声を混ぜて、今日も元気に現場を駆け回りたいと思います!







